ミュ−ジシャンズライフ イン ニューヨーク昔話 vol.2 生活編

生活と言っても音楽を中心に回っていた訳で、あとはとりあえず食わねば…という

ことでバイトとその周辺で起きたことなどなど…

 

大体9〜10時くらいに起きる。 狭い部屋だが緑の裏庭が広がっていて冬をのぞけば

結構のどか。 

表通りのヒスパニック系のカフェバーでカフェコンレチェ(カフェオレ)を

テイクアウト(ここのはカフェインがメチャ強力)して地下鉄に乗り飲みながら

11時にミッドタウンのビジネス街にある和食レストランへ。 

先ず野菜カキアゲを20〜30個揚げると…2時頃には一段落ついて、

まかないをいただいて3時には自由。 週4〜5日だったか。

1日だけ夜のシフトがあって…まあ比較的ヒマな曜日を私一人+パキスタン人の皿洗いの

おじさんに任された。 よくまあこんな素人にまかせたもんだ。 比較的ひま…とは

言え時として客がドドーッと来るのだ。 そんな時はパキスタンのおじさんが強力な

助っ人だった。 皿洗いしながらも料理の工程は把握していたのだ。

 

3時だ..終わった…帰ろ…と地下鉄に向かったある日、どうした訳か、部屋の鍵の

キーホルダーを地下鉄の通気口に落とした。 あの有名なマリリン・モンローの

スカートを吹き上げた通気口だ。 鉄格子になっていてその下2m程のところは

金属の網になっている。 キーホルダーはそこにあった。 建物・部屋・自転車等

様々な鍵がついていた。  どうしたものか?  そうだっ!!

レストランに戻り酢豚用のタコ糸と強力磁石を持ってきた。 こいつでなんとか

釣り上げる。  

糸をソロリソロリと降ろす。 ちょっとポイントがずれた。

”Oh it’s a little bit more left”  気がつけば私の周りグルリとギャラリーの輪ができて

ミッドダウン・キーホルダー・フィッシングを見物し始めていた。

3回目にポイントが決まってカシャッと手応え。 ソロリソロリと引き上げる。

後もう少し…という所でキーホルダーは鉄格子に引っかかり落下….チャリン

”Oh no!!” ギャラリーから漏れる落胆の声とため息。”You almost there man!”

再度挑戦…今度こそ…ソロリソロリ…この鉄格子が最後の難関 

”Carefull man”   わかってるって… なんとかここを…切り抜けて…

キーホルダーゲット〜!! ”Yeah!!” 沸き起こる拍手と歓声!!

思わず頭上にキーホルダーを高々と掲げてしまった。 

たかだか東洋人がキーホルダーを釣り上げるだけなのにここまでのイベントにして

みんなで楽しむニューヨーカーは好きだ。

 

3年ちょっとこのレストランのお世話になったが、パリ時代の友人が貿易会社を始めた

のでその手伝いやら日本からくるちょっと変わったお客さん達の案内にバイトを

シフトしていった。

 

ある日リン(金髪・ブルーアイ・京都育ちの京都弁アメリカ人)から電話で

「京都の着物屋の社長さんなんやけど案内したってくれる?」 とのことで

お会いする。60歳半ばの社長さんと部下の方だろうか30歳くらいの二人。

昼間はまあ服飾関連のショップ等ご案内していたのだが…夕方近くになると

様子がおかしくなってきた。 

ギラギラしてきたというか…ちょっと軽く飲んだのだが

「この歳になるとね〜酔っ払うともう女の子じゃあかんのよ。」

オット〜!!  そうきたか!。

「なんかそういった子たちおるとこ連れてって」

で…とりあえずゲイが集まる通りのメッカと言われるカフェバーに連れていくと

「ここの子たち、誰に声かけてもええのん?」 

それってもしかしてお金払うからお相手して…ってことですか?

「そうゆうとこに連れてって欲しいねん」

エ〜ッ!! 部下と思ってた男性は社長のアレですっかりいじけて店の外で黄昏てるし。

 

その手の事はその手のプロを呼ばなければと急遽ゲイの友人G氏に来てもらい、

彼の協力を得てミッドタウンのあるクラブへ全員で移動。

社長ルンルン「ちょっと探してくるわ!」 …で数分後

連れてきました。 社長!さすがお目がお高い! フレンチのスイートなイケメン!

何故かフレンチ・G氏・私・社長と横並びにならんで交渉が始まりました。

社長:いくらなの? > 私 : How much dose he charge?  >  

G氏 : How much you want?  > フレンチ:200  > G氏 : 200 dollors 

> 私 : 200ドルだそうです。 > 社長:時間制限はあるのん? 

> 私 : is there any time limit? > G氏 : is there any time limit? >

フレンチ:no time limit > G氏 : no time limit > 私:時間制限は無いそうです。

交渉成立!! 

「じゃ社長、お楽しみください。 私はこれで」

「ちょと〜、 終わるまで待ってて〜な。」  エ〜ッ!!

てな訳で二人はフレンチお勧めのホテルでしばしご休憩…それから帰ってきた

社長を滞在ホテルに送り届けて最後に

「あのな..この事リンちゃんには言わんといてな。」 

もちろんですとも…と言って別れて速攻電話する。

「もしもしリンちょっと聞いてよ…あのじじいさ〜…」

「え〜っ!!! ウッソー!! 信じられへん!!」

 

ダウンタウンのストリートには毎夜、市が立つ。フリーマーケットだ。

仕入れ先はかなり怪しげだが安いのでよく利用した。

ある日カラーTVを持って歩いてるヤツに出くわした。

「それ映るの?」 「映るよ。ちょっと来いよ。」

と言ってその黒人は近場の街灯まで行く。

下部にあるふたをあけるとコンセントがあってそこにプラグイン。 

しっかり映った!。

「50ドル? OK!  ディール!」 てな訳だ。

 

これで味をしめた私は後日、パナソニックの梱包したビデオデッキを持った

黒人男性に遭遇した。 新品に見えるパッケージからはピンプラグの入力端子

が見えた。 「それいくら?」 「50ドル」 「OK ディール!!」

やったね…と思って家に持ち帰り開けてみれば…中から出てきたのはベニヤの

箱に入った濡れた新聞紙で,ピンプラグの入力端子が貼り付けてあった。

やられた!!....が思わず笑ってしまった。 おのれの浅はかさに…

 

それから1年も経っただろうか….クリスマスも間近のチャイナタウンでパナソニック

のビデオの箱を肩にかついだあの男を見かけた。 相変わらずやってるんだ…

と思った瞬間人混みに消えていた。

 

 

       

 

 

 

 

   Youtubeでオリジナル曲のBGMチャンネルを作りました。 聴いてみてください。

   resort spiritual sound

 

    

 



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