ミュ−ジシャンズライフ イン ニューヨーク昔話 vol.3 バンド編Part1

6年間のニューヨーク滞在でいくつかのバンドを経験したが、最後に組んだバンド

(あえて名前は出さない…PDとしておく...といっても無名のバンドですので

検索しても何も出て来ません)は3年…つまり私がニューヨークを去る

まで続いた。 全てはPDを中心として回っていたようなものだった。

たまたま出会った3人の日本人ジャズミュージシャン:ドラム・サックス&キーボード

・ギターだったが皆もうジャズ等やる気はなく、当時のクラブやライブハウスシーンを

先取りする新たなオリジナリティを模索していた。

 

最初のライブはno se no という狭いカウンターバーでみなカウンターの上で演奏、

天井が結構近くにあって、ピンスポット代りに強力懐中電灯が使われた。

 

3回目のライブで当時かなりマニアックに流行っていたライブハウスのレギュラーを

決めた。 しばらくの間はここがPDのホームとなった。

8BCというこの店は8ストリートとアヴェニューBとCの間にあり周囲は無人の廃ビル

なのだが、この店の前には行列ができたりした。

地下と1階をぶち抜いたスペースにはオーナーのゲイのカップルが奇抜なディスプレイ

をほどこし、かなり頻繁に模様替えする。

「今日はPDだからほら…模様替えしといたよ」 といった感じだった。

ステージ裏にウサギとニワトリを放し飼いしていて、こいつらが演奏中よくステージに

飛び入りしてきた。 きっと爆音には慣れきっていたのだろう。

どのライブハウスでもそうなのだが、店に入るとき普通は入場料を払う。

しかし店のレギュラーになるとこれが顔パスとなる。

いつ行っても”Hi!” と軽く手をあげてニコッと笑えばOK…なかなか気分がいい。

 

この頃、ドラムのS氏の人脈もあったのだが色々とヴォランティアで協力してくれる

人たちが現れ始めた。 

大きかったのがヘアー&ファッションコーディネイターをやってくれたある2人、

ライブ前には必ず彼らの所で髪の毛をバリバリに刈り上げ、どんなファッションで

行くかを決定した。

フォトグラファーの協力もあり彼のスタジオで色々と撮影してもらった。

そして必ずライブに来てくれる固定ファンがつき始めていた。

お陰様でライブはいつもかなり盛り上がった。

 

日本の状況を思うとかなりリッチな環境なのだがPDはリハーサルスタジオを月極めで

借りていた。 専用スタジオだ。20畳弱あったように思う。

機材は置きっ放しにできる。 

夜は11時でフロントが帰ってしまうのでその前に入れば朝まででも音出しOK。

ただし一度外にでたらもう入れない。まあそこまでガツガツ練習しなかったし…  

こんなことができたのも家賃が安いから。月400ドル程だったように思う。 

後に知り合いのバンドとシェアしたのでさらに半額となった。

 

さすがにここにいるといろんなバンドの音が聞こえてくる。 

ニューヨークだからさぞやユニークで面白いサウンドが聞こえてくるのか…と

思いきやである。 ほとんどどこか聞いたような音ばかりだった。

個人的にはサルサバンドはちょっと良かったかな。なかなか熱くて…

でも隣でやられるとかなりウルサイ。

 

でライブとなるとここから機材を運び出すのだが、記憶に残る面白いハプニングがある。

 

ドライバー(ミュージシャンのバイト)がワンボックスで下に迎えに来るので

早めに着いた私が一人で3Fのリハーサルスタジオから荷物用のエレベーターで機材を

降ろし始めたところが…2Fと1Fの途中でエレベーターが止まってしまった。

ヤバッ!! 非常ベルを押す…誰も来ない…大声で叫ぶ…HELP!! …

何しろ3時ごろでリハーサルルームは大盛況だからちょっとやそっとの声で聞こえる訳が

無い…途方に暮れかけた矢先…ホッ…黒人の守衛のおじさんが外部から動かし2Fで

乗り込んできてくれた。 

「何? 機材降ろすのに止まっちゃったのか…手伝おう」と言うや1Fのボタンを押す。

 …嫌な予感…的中

なんと2Fと1Fの途中でエレベーターはまた止まってしまった。

ミイラ取りがミイラである。  非常ベル…何故か無反応…仕方がないので

おじさんと二人でHELP!! …HELP!! …HELP!! …HELP!! …HELP!! …

喉もかれるかと思った頃にエレベーターは上昇、3Fで扉が開きリハーサルスタジオの

フロントのお兄さんが立っていた。 1人を監視役に3人体制でなんとか機材を降ろした。

 

ドライバー俗に言うローディーが手際よく機材を積み込んでくれる。

ライブ前のミュージシャンになるべく余計な負担をかけない…という心遣いがある。

メンバーも揃いみんな一つのワンボックスに乗り込んでライブハウスに向かう。

こんなところで連帯感が生まれたりする。

東京の場合各自それぞれの車でそれぞれの機材を積んで現地集合というパターンだ。

でもやはりニューヨークのあのスタイルは楽しかった。ローディーですらメンバー

だった。

 

 

 

        

 

Youtubeでオリジナル曲のBGMチャンネルを作りました。 聴いてみてください。

resort spiritual sound

 

 

 

 



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