ストリートミュ−ジシャン・トラベラー昔話 vol.6 マラガへ

メノルカ・バルセロナからの続き・・・

 

キリギリスのストリートミュ−ジシャンは、夏場の観光客の多い時期に頑張って稼いでおけば

よかったのに、やはりスパニッシュモードにはまってしまうとそれは無理。

バルセロナとは言え冬ともなればそれなりに寒い。

そこにインド大使館にビザを取りに行ったペペとマイテがおもしろい情報を持って来た。

マラガ(スペイン最南端・ほとんどアフリカ)に住む女性シンガーがギタリスト募集中。

 

いざマラガ!  久々にヒッチハイクでバルセロナを出たはいいが後が続かない。

結局鉄道。 グランドキャニオンのような荒涼とした荒野、ドン・キホーテが出てきそうな

ところをひたすら走りマラガ。

 

尋ね当てた住所には20代後半の美しい女性シンガーが3歳の息子さんと2人でひっそりと暮らして

いた。「今まで妹に頼んだ事の中で一番早かったわ!」という事ではあったのだが、求めていたのは

南米系のフォルクローレができるギタリスト。  私には全く馴染みの無い世界。

まあ1週間もらえれば「なんちゃって」くらいはできたんだろうけど・・・・

一晩ご厄介になって翌朝はまた旅の空。

 

マラガ > カナリア諸島 > ブラジル という構想がよぎっていたのだが初っぱなでコケた。

バルセロナに帰ろう。 と言ってサッと帰れる訳ではない。 例によってヒッチハイクを試み

だめなら歌って移動費稼ぎを繰り返す。 ここにドラマは生まれる。 かっこいいっしょ。

 

地中海沿いを移動するとちょっと歌うのになかなかいい雰囲気の海辺のレストランとか結構ある。

のんびり旅気分で北上してると若者はヴァレンシアを目指している。

聞けば10月はオレンジの収穫期で人手が要るため季節労働の稼ぎ時なんだそうだ。

あっ!それいいかも!  で私もいざヴァレンシア!

 

ヴァレンシア。 スペインでも有数の大都市。 

来たのはいいのだが、その年はオレンジの収穫が大幅遅れていて一向に始まらない。

私はこの大きな街で歌えるレストランを数件確保すればなんとかやって行けるが、オレンジ収穫の

収入をあてこんでギリギリで来た若者の中には餓死者が出始めたりした。

 

そこで知り合ったスペインの若者に、あるカソリック教会に連れていかれた。 ここでは

1日1回無料の食事を提供していた。 さすがカソリックの国だ・・・と思って

調子に乗って次の日も行ったら受付のおっさんに「あんた何人?」「日本人」 「日本人だめ。」

と断られた。  

あらスペインの神様はスペイン人専用なのね・・・ってまあ これはたまたま

この教会のおじさんの了見が狭かったんだろうと思おう。(イタリアの教会と大違いだな〜)

だって他のスペイン人は皆いいやつばかりだから。

 

街角でへんなおじさんに呼び止められる。

40歳半ば、16~7才のちょっと可愛い娘と一緒だ。 

「おいギタリスタ、 マック・ザ・ナイフを弾け。」 と言って歌い出す。

あ〜これね。 なんとなく合わせる。  それが何回も何回もしつこく歌う。

「そろそろ行くね」 と帰りかけると女の娘がおじさんになにやら話しかけ

おじさんは「あ〜クソギタリストと一緒にどこにでも行くがいい!」みたいな捨て台詞。

親子にしちゃ変だと思ってたらオッサンいい歳して若い娘にナンパしてたんだ。

だめだよ・・・未成年だよ!

マック・ザ・ナイフでアピールしようったって無理でしょ。

 

「ありがと。やっと逃げられたわ。 本当はあなたと一緒に行きたいのよ。でも彼氏がいま徴兵で

 ちょっと悪いから・・・ゴメンネ。」

オー半分嘘でもちょっと嬉しいかな。 まあまあお気遣いなく。 アディオース。

 

そう、最近じゃ多くの国が志願徴兵制になったけど、当時はヨーロッパ諸国もアメリカも男に

生まれたら兵役があった。(アジア諸国は今だに多いようだが)

で、思春期のカップルがその頃になると別れるの別れないのという話になる。

男としては1〜2年女性の居ない世界で過ごすのだから、とりあえず彼女をリーチしときたいから

「待っててね!」 となるが,女性の方は状況が全然違うので「いつまでも待ってるわ!」という娘

ばかりではない。  で、そんな娘が性悪か? というとそうとも言えない。

多感な年頃で好奇心と才能にあふれたアーティストタイプとかだったら,正直な娘ほど「いやっ!」

となるだろう。  

「待ってるわ!」が半年後に「ゴメンネ〜!」といった事態は多々ある事を思えばその方が後腐れが

無い訳で。

ま、相手次第とも言えるが。 スペインは自称アーティスト多いから。

 

話をもどそう。

いつもの稼ぎ場の屋外レストランにやってくる。

いつものように歌って集金、 ふと見ると端の方に多分オランダとかドイツ系と思われる親子3人の

ストリートミュージシャン、お父ちゃんがギター弾いている。 子供はどうも哀れみをさそって

集金率アップさせるためにいるようだ。 話しかけて来た。「お前いつまでここにいるの?」

彼等、歌が暗いから受けないんで私の存在が邪魔のようだ。

 

オレンジ狩り待ってても拉致があかないし、そろそろバルセロナに向かうか。

 

というわけで、その夜の稼ぎを手に翌朝ヒッチハイクで北上。 タラゴナまでやってきた。

聖ナンタラのお祭りで人手が多く、シルコ(旅周りのサーカス一座と移動式遊園地の合体系)

が翌日からの講演に備えてセットを整え終わっていた。 

入り口のあたりで歌ってたらシルコの小人と友達になり、彼等のワンボックスカーでお茶を

ごちそうになった。  大体,小人は性格が陽気な連中が多い。

夕暮れの客のまだ居ないシルコの中を散策する。

蜘蛛女のセットの上で一人たたずむ,哀愁をおびた魔女のようなセクシーな蜘蛛女がなんとも

強烈なインパクト。  この蜘蛛女さんなら蜘蛛の巣にひっかかっちゃってもエ〜かもナ〜みたいな。

彼等はほとんどがいわゆるジプシーで流浪の民。様々な芸をしながら諸国を放浪する人生。

ん?・・・・ということは私も彼等の同業者?  イヤイヤ・・・年期が違いますって。

頭のどこかで期間限定だと思ってるから楽しくやってられるけど、一生やれ・・・と言われたら

さすがにね。

 

翌日、最後はバスで帰ってきましたバルセロナ。

で結局この後ペペ、マイテ等とイスタンブールまで旅をして別れ、インドのプシュカールでサプライズ合流等

ありましたがストリートミュージシャン活動がないのでカット。

次回はいきなり飛んでニューヨーク最終編となります。

 

JUGEMテーマ:ヨーロッパ

 

 

 

 

 



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